あなたをと譬えたその時から、この呪いは始まっていたのでしょう
いっそおまえのやさしさに溶けてしまえたら
白鰐の噂
誰かが云っていた、愛は磨耗するものだと
感傷の海で眠るブラックボックスの鍵はやっぱり君が持っていた
ふたりの嘘はひとつじゃなかった
い散らかしては悔いてばかりのこの感情を、愛と言えるのでしょうか
誰の手からも容易く傷付けられてしまうあなたが憎い
ビリジオン
きみの小指は寂しくて、ぼくの小指は虚しくて
ふたつをそっと結んだら、なくならない約束がこぼれ落ちた
忘れたいまぼろし、忘れたはずのきみのこと
八月は骨だけ残して


花喰いのエンリエッタ