真夜中のメイデー、きっと君には届かない
綺麗な水を飲み干して(私の中の汚いものと混ざり合って飽和する)
たったそれだけのことで、死んでしまえるなんてね
誰も知らない場所で泣いたとて、優しい慰めも大多数の同情も引けはしないが
閉ざした藍と菜の花畑
ワールドエンドコールを躊躇う(それもきっときみのため)
黒と白の爪で、あなたは器用に退屈を潰している
淡白なシュールレアリスムに溺れた
君という人はまったく、博物館のようだね
君の永遠と僕の永遠では釣り合いが取れやしない

死人花の群生
幸福なんてものは、真昼の月に翳せば実に滑稽で虚しいものなのです
貴方の心臓を突き刺す筈だったナイフの切っ先で
ダーリン、いつしかしたりと融かされて
科学で証明しきれない君の魔法について
あなたとわたしの臨界点
飴は甘いけれど硬いでしょう、あなたってそんな人(熱に浮かされ、とろけて、消えるの)
粗末なバーバリズムの愛でさえ
ありあわせの恋ばかりを詰め込んで
馬鹿な子ね、声さえあれば人間の男なんて容易く篭絡出来たのに

砂糖漬けにされたきら星の涙
森羅万象、つまりぼくもきみも決して永遠ではないから
僕は嘘ばかりが溢れ出た愚かなカメレオン
これは傷ですか、咎ですか、恋ですか
聖なる日曜日、僕らはこどもの殻を内から破り捨てた
舌舐めずりする誘惑
お前ほどに絶対が信用出来ない奴が他にいるものか
降伏条件
ホログラムの愛でも構わない
運命なんてものは三百年も前に絶滅したじゃあないか

スカ・ナイトメア・カーニバル(深窓の令嬢は悪夢がお好き!)
沈んだスプリングの底でたゆたうのは私
待ち合わせは、真夜中の遊園地
悪い夢が醒めたら、必ずきみがいるから
それは愛に似て非なるもの(どちらも病魔であることに変わりはないがね)
互いを隔てる肌すらも、酷く邪魔なものに思えて仕方がない
桎梏心中
箒星と1、2、ワルツ
生憎、ひとりで死ぬ為の勇気なんか持ち合わせていないんでね
ぼくからきみへ贈る、聖なる復讐

アップルパイの次くらいにはあなたが好きよ
あとの364日はお前にくれてやる
あなたが臨んできたさよならの数々を羅列して
死に損ないは嗤わない
死にたがりは振り返る
君が望んだようないい子でありたかった
蜂蜜味のくちづけではもう飽き足らなくて堪らない
爪先でそっと触れた神様の孤独
100℃でも蒸発しない愛はどこにありますか
君の骨が欲しい

微笑みながらナイフとフォークを持って、ぼくを待ち構えている
堂々巡り、君の夢
あの亡霊は前世のわたしを食べたのよ
雪に埋葬した嘘
僕、飴1:鞭9が基本方針なんで(あ、でも君なら少しだけ、優しくしてあげる)
きみがいないネバーランド
曇り硝子の向こうから私を見ていたのは誰
少女は花に喩えられ(そして散って枯れて、朽ちていきました)
理由のいらない愛があるなら教えてください
もう季節外れの線香花火をともして

幼い頃はそんなことで死にたくないと思っていたのに
本日は快晴なり、それでは花見心中と洒落込みませうか
お前に巣食う虚に呑まれるなら本望じゃ
褥遊び
ちょっとだけ泣いて、青のペディキュア
合鍵のゆくえ
体から始まる恋があってもいいじゃない
ただ、酸素を奪うだけの口づけを(それではまるきり絞殺じゃないか)
脇役A
羊の群れに潜む心優しき狼の顛末(彼は多くの羊を前に空腹で死んでしまいました)

多分、最も美しき世界の片鱗を僕らは夢と名付けただけ
僕は星と深海魚のような関係
泣くことも疾うに忘れた空中庭園
ラベンダー味の唇と紅茶に浸した下睫毛

溶ける前に、蕩けてごらん
背中合わせに恋でもしませんか
貝殻に詰まった君が生きてきた記憶(ほぅら、耳を澄ましてごらん)
見つめあったまま、美しいまま、剥製になって永遠
夜の海に沈んだら三つ数えて

終わらない愛なんてものは妄想の産物に過ぎないのだよ、ベイビー
僕らは絶望の光
私が愛と呼んで慈しんできた感情は、あなたの手で容易く壊れた
59分、死んだ恋を弔うにはいささか遅すぎた
私が海に還るのは、あなたがそうさせたからに違いない
まるで絞殺でもするかのような、やさしく囁くアイシテル
銀の悪夢ときみの声
猫は骸を晒さない
墜落寸前、エマージェンシーすら聴こえない
凍てつく失望にも代え難しこの熱情

砕け散った恋の破片を埋めて、出て来た芽を育てる人(物好きなのね、でも嫌いじゃないわ)
白い部屋で溺死する熱情
真夜中、壊れた電話から聴こえる睦言
君が水を欲するように、僕が君を愛するのはもっと原始的で発作的なものだと思うんだ
私はあの溶け出した花緑青になりたかっただけなのかもしれない
誰かの愛した人が死んだ朝
恋は玉響、愛は泡沫(結局、そんなものは幻想で、春雷みたいなものなんだよ)
海岸線にスパンコールを散りばめる
最後まで騙されていればよかった
透明な薄い膜が覆う何処か曖昧でちぐはぐな世界で、僕らは確かに生きていた