そうだな、来世になったら迎えに行ってやろう
例えば四年前の約束、あれは君のいない今でも絶えることなく存在するのだろうか
夜半に砕けた少女の欠片
春の呪縛
夏の死に際
ぼくときみのきりとり線
鋏の恋はいつだって報われない(彼は傷付けることしか知らないから)
華やかな洋服の花畑に埋もれて、絶命
テンダースカイ
隣人愛とはなんたるか(お隣さん、お醤油貸してくださいな)

地球で最後の二人になりたい(そして最初のふたりになりましょう)
たった三秒の孤独
朝顔だけはお前の愚行を知っている
ドントクライベイビー
酔鬘を愛でる人
さいごまでさまようばかりの命だったけれど
しあわせだったと言ってください、優しい声で
君は春か彼方
インダストリアル・スローステップ
そんなちっぽけなことで泣いてしまえるなんてね

情事なんてお上品じゃない、精々獣のまぐわいだろう
消えそうな光は、愛のともしび
余命一日、きみとふたり
愛と呼ぶには重すぎて、恋と呼ぶにはまだ軽い
べネディクティンに溺死
私は熱帯魚(一生広い海を知ることなく、死んでいく運命なの)
失踪した月曜日
夜を明ける仕事
嗚呼、夏はもう死んだのに
千年も前に、おまえのことなど忘れてやったさ

ただ惰性で愛を語った日々が、記憶の底で呻いている
あなたは金魚、わたしはカナリア(脆弱な美にこそ価値があるの)
本当は、空箱だって知っていたんでしょう
まぐわうだけが愛ではないのに
指先でなぞる静寂
泡になりたかった人魚
ふしだらな菓子(ふしだらな下肢)
片手で握ったその金貨で買える程度の、安い悲劇をご所望か
好きだから壊す、そういう愛もあるとは思わないかね、君
チョコレート・キスガールに欲情

その傲慢さすら、かわいいよ
お前なんかいなくても、私は幸せになってみせる
星の王子は最期の一瞬まで穏やかに笑っていたね(心臓を業火で焼かれるその時まで)
人は鳥に憧れ、魚は人になりたがる
ドロシーと灰燼の都
水母の受胎
冷蔵庫の奥にしまった食べかけの恋
どうしておまえはいつもないものばかりをねだる
見捨てられた世界と孤独な旅人の奇妙な関係
つきがないの

不器用なソーダの泡の数え方
骨すらも残らないなんてあまりに可哀相じゃないか
もし、アフターワールドがあるなら
いわく椿の墜落論
あなたにとっての世界になりたい、って願ったの
気が付けば、賞味期限の切れた約束ばかりが私を埋め尽くしていた
つまるところ、奇麗事ばかりじゃ生きられないってこと
レンブラント・ライト
終わる世界への贐に
自由心中法

残念ながら神様に愛される方法は見つからなかったよ
君の言葉はいつだって切れ味の悪いナイフ
ワイシャツに容赦なくこぼれ落ちた群青が、あなたの指を染めていく
溺れる君は、僕の手にすら縋るのだから
ティースプーン一杯分の愛でいいから
僕を孤独にさせる夏
白い夜長に燻るのは、花盗人
壷底の世界
月を周回する孤独な衛星は決して泣かないのに
星になりたかった私と王子様の遠い寓話

蜂蜜まみれの浴槽に溺没
泣きたくないなら夜明けを待って
君という世界の狭さ
死ぬ為に生きるだなんてくだらなすぎて、反吐が出る
実験1:弱虫もいつかは蝶になれるのか
次の世界で会えたら、その時は最後まで踊ってやろう
逃げたければどうぞご自由に
捨てる神あれど、拾う神はなく(奈落にも沈めないから、あやとりでもしましょうか)
残光の輪郭
神呼びの領域

夜鷹の燭
例えば僕を深い川底に棲んでいる山椒魚だとしようか
許して、だなんてどの唇が吐くのだ、切り取ってやりたくなる
ささやかながら、君が好きです
量子の海に囚われて
悪魔なんてね、君、早々いるものではないのだよ
君と共に歩んだ道を、せめて星屑で飾っていこう
だって、あなたはやさしい悪魔
箱庭心中
爪先に濡れた記憶

魔魅を孕む夜明け
憐れなるアラクネの代わりに涙を流してやってはくれまいか
夢を見るのだ、君が人魚だった頃の白昼夢
限りなく友愛に近い恋をした
つみもほろぼし
あなたは猛禽類のような目で笑う
生まれ変わったはずの涙は、やっぱりあなたのためにこぼれるの
あざとくも美しく、淑やかなお前は酷く狡猾だ
一番綺麗なさよならのメソッド
躊躇い山茶花